会長からのごあいさつ

ph公益社団法人
横浜市幼稚園協会会長
木元 茂(きもと しげる)

横浜市内の幼稚園・認定こども園はすべて私立です。公益社団法人横浜市幼稚園協会には254の幼稚園・認定こども園が加盟し、横浜市内の3歳児~5歳児の6割にあたる約48,000名のお子様が通園しています。各園はそれぞれ独自の教育方針や理念を持っていますが、幼稚園には文部科学省が定める厳しい設置基準があり、各園はこの基準にのっとり教育環境を整えています。
また、教育の主要な内容を取り決めている、幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育要領の中で小学校就学前までに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情、意欲、態度などについて五つの領域が示され、各領域の「ねらい及び内容」に基づき教育を行っています。横浜の幼稚園は安全な園舎・園庭のなかで、日々研修・研究等で研鑚を積んでいる保育者(教諭・保育教諭)が、大切なお子様をお預かりしています。

幼稚園・認定こども園は多くの子どもたちにとって初めてご家庭から離れて、同年代の子どもと毎日一緒に過ごす集団生活の場です。子ども同士の遊びを通して他者と関わる中で自分と違う考え方や行動に出会い、自分の思い通りにならない苛立たしさを経験します。このような子どもたちの行動を温かく見守り、適切な援助を保育者が行うことで、子どもたちは感情の納め方(心の中での折り合いの付け方)を身につけていくのです。3~5歳の幼児期は、「自我の発達」と共に人間関係の距離感すなわち「社会性」を会得する大切な時期です。園での生活を通じて、このような多くの体験が出来ることが幼稚園・認定こども園の大きな存在意義と言えます。

現在、多くの先進国において、大学を卒業した高学歴の若者の失業者が増加していて、従来の教育の在り方が課題になってきています。これまでは教科書などを使い正確に「理解・記憶する力」を持っている人が「かしこい」という定義だった訳です。しかし、いま世界的に求められている新たな「かしこさ」は、持っている知識や技能を使って、実生活で遭遇する様々な課題を解決する能力に焦点が当てられつつあります。コンピューターが誰でも使えるツールとして一般社会に入り込んでくると、これまであった多くの仕事はコンピューターやロボットで十分にできるようになってきます。そこで就学前の教育のあり方が、その後の生涯の学び、生き方に関係するとして、乳幼児教育保育分野が世界的に注目されるようになりました。そして、生涯学習者として生活の質を高めるための土台作りとして、乳幼児期に大切なのは「子ども自身が自立/自律性に富み」「自分を大切な人であるという自己肯定感や自尊心を持ち」「他者と協働して生活し」「創造する喜びや楽しみにあふれた非認知的な側面の育成が重要である」と言われています。非認知的能力は「学びに向かう力や姿勢」とも言いあらわされ、目標や意欲、興味関心を持ち、粘り強く挑戦し、仲間と強調して取り組む力や姿勢のこととご理解ください。

お子様が充実した幼稚園生活を送っている平成30年頃に、幼稚園教育要領の改定が実施される予定です。その中には前述のような新しい時代を生き抜くために必要な学力の教育体系が、盛り込まれることになるでしょう。幼稚園・認定こども園の教育保育現場にとっても大きな変化が予想されますので、今後も横浜市幼稚園協会として、協会加盟園や先生方をバックアップすることを通して、お子様が充実した園生活が送れるよう応援してまいります。