会長からのごあいさつ

 

公益社団法人
横浜市幼稚園協会会長

横浜さがみ幼稚園 園長
苅込 大(かりこみ だい)

みなさま、はじめまして。令和三年度、横浜市幼稚園協会の会長を拝命いたしました、苅込 大と申します。

昨年度は新型コロナウイルスの流行と感染拡大防止対策により、ほとんどの幼稚園が三月頃から約三か月間休園となりました。六月からは分散登園が始まり、自園では週に二日ほどの登園となりましたが、園児全員と顔を合わせるまでには時間がかかりました。“おはよう”そして、“またあしたね”の先生と園児たちで当たり前のように行われていたやりとりも見られない日々に、今まで経験したことのない不安な気持ちを覚えました。

 

夏休み前から園児が揃い、保育は行われるようにはなりましたが、保育や行事の見直しを余儀なくされ、現場の混乱と努力は大変なものでした。さらに、この約三か月の休園が子ども達の成長にどのような影響があるか懸念しておりましたが、やはり、言語取得能力や判断力、集団生活における他者を意識する力など、年齢が低いほど影響が大きかったと感じています。

 

低年齢からの教育が大切であると理解していましたが、休園を通して改めて日々の教育の積み重ねがいかに重要であるかを思い知らされました。この遅れを少しでも取り戻せるように、保護者の皆さまと力を合わせていきたいと考えています。過日、横浜市幼稚園協会の保護者の方から、コロナの影響で未だに幼稚園に通われていない園児もいると聞き、本当に衝撃を受けました。6月21日から順次ワクチン接種兼が発送されています。接種券が届いたとしてもすぐに予約や接種を受けることが出来るとは限りませんが、この会報がみなさまの元に届く頃にはワクチン接種が進み、心配が少しでも払拭されていることを願います。

さて、教育・保育に関しては昨年度「よこはま☆保育・教育宣言」が策定されました。市内における多様な保育・教育施設における全ての保育者の保育の質向上のため、子ども達の日々の関わりの基本となるものとして横浜の子ども達の育ちの方向性が示されています。この宣言には、子ども達が安心できる環境を作り、一人ひとりを大切にする保育や、子ども達の育ちと学びを支える主体的な遊びを大切にすることに加え、育みたい資質・能力として認知能力・非認知能力について記されています。認知能力とは、IQやテスト、運動能力などの目に見える結果や数値化できる力のこと。非認知能力とは、目に見えない感情や心の動きなど数値化できない分野の能力のことをいいます。非認知能力の例えをあげると、子ども達自身が自分の意志で行動したり好きなものに夢中になる力、友達と協働したり、人を思いやることもその一つです。自分の感情をコントロールしたり、自分のことを好きだと思える自己肯定感も非認知能力の一つだと言われています。明確に成果としてすぐ答えが出るものではありませんが、社会と関わる力、生きていくための大切な力と言えるのではないでしょうか。

認知能力も非認知能力も、これからの社会を担う子ども達にとってどちらも大切です。これからの幼稚園は幼稚園生活を通して双方をいかにバランスよく育むために、保育者、保護者、地域の方々と共に考えなければならないと思っています。

私は、非認知能力を育むためには、やはり“愛情”が大切だと考えます。自分を愛してくれる人がいる。という絶対的な安心感が、自分で自分を受け入れる力を育てます。幼稚園は保護者のみなさまと共に、みなさまの大事なお子さまの、意識・意欲・強い意志を持った立派な社会人としての基礎を育んでいきたいと思っています。