No 271
絵本のタイトル およげないさかな
作者 せなけいこ
訳者
出版社 ポプラ社

271 『およげないさかな』

泳げない魚と言うと、飛べない鳥にダチョウやペンギンがいたり、泳げるほ乳類にイルカやクジラがいますが、調べてみるとそのような魚はいないようです。

この『およげないさかな』の絵本は、海の中で沢山生まれた魚の子どもたちの中で一匹だけ泳げない赤いさかなが…という場面から始まります。きょうだいたちには「がんばってね」とだけ言い残され、一生懸命這って辿りついた海水浴場で出会ったのは、同じく泳げない人間の男の子でした。そして、泳げない悩みを彼に打ち明けたさかなの涙には心が痛むのですが、次のページをめくると海にいたお兄さんの「およげないんならスイミングスクールにいけばいいんだよ」という、衝撃的な助言が飛び出します。果てさて、さかなは泳げるようになるのでしょうか。

 

せなけいこさんといえば『ねないこだれだ』『おばけのてんぷら』など、様々な作品に於いて独特な切り絵が特徴であり、真っ先にその作風が思い浮かびますよね。しかし、今作は色としては赤・白・黒の3色のみを使用しており、サインペンで描かれた様なシンプルな可愛さがあります。そしてもう一つ。赤いさかなと登場人物の頭や水着、地面などにつるつるざらざらとした、少し厚みのあるプリントがされており、絵に触れながらお話を楽しめます。                                                (723)

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