No 252
絵本のタイトル ミスターワッフル
作者 デイヴィッド・ウィズナ−
訳者
出版社 BL出版

252 ミスターワッフル

 

何年か前のことですが、運転中にかかっていたラジオ番組の中で、長年飼っていた猫が突然いなくなってしまったので心配している、という相談がありました。その時の獣医さんの回答が印象的で、「猫は本来身勝手な動物なので、年をとって元々の性格が強く出てきたのでしょう」という何とも大胆なものだったのです。

今回紹介する絵本の話は、気紛れな猫によって窮地に陥ったエイリアンが、虫たちによって危機を脱し、友情を深め、智恵を出し合い共闘して脱出をはかっていくというもので、気紛れで凶暴な猫の性格が存分に表現されています。

この絵本でもう1つの大事な要素となっているのが、洞窟(?)壁画で、虫たちが猫との闘いを壁の隙間に誇り高く描きあげていくさまは、アルタミラやラスコ−の洞窟壁画にも決してひけをとらないものだと感じます。絵というものは、文字を持たないものや時代における最高で最大の表現方法であったのだとまさに実感できます。

作者のウィズナ−は、現代のアメリカを代表する絵本作家で、2013年のコルデコット賞オナーブックに選ばれているこの作品も、ウィズナ−ならではの不思議な話が、緻密な絵によって楽しく描かれています。ウィズナ−の作品の多くには言葉はありませんが、子どもたちは、そこに描かれている絵から、さまざまなストーリ−を豊かに感じとっているのだと思います。(S.T)

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