No 231
絵本のタイトル ちがうねん
作者 ジョン・クラッセン
訳者 長谷川義史
出版社 クレヨンハウス

232『ちがうねん』

先日、『ハンムラビ法典』を取り上げたテレビ番組を見る機会がありました。『ハンムラビ法典』といえば「目には目を、歯には歯を」といった「復讐法」としてのイメージがありますが、それはあくまでも立場が対等な場合で、身分が違えば処罰の内容も大きく違うということぐらいは知っていましたが、そもそも、確たる証拠なしに人を訴えてはいけないということが強く示されていたりなど、自分の思っていた印象とは随分違ったものでした。また、それまで世界最古の法典だと思っていたのが、そうではなかったということなど、番組全部を見た訳ではないのですが、それでも私とすればとても興味深いものでした。

今回紹介する絵本は、「目には目を」ではないまでも、「自業自得」というか「因果応報」というか、はたまた「身から出たさび」といった格言がぴったりする絵本です。

作者のジョン・クラッセンの『自業自得シリーズ(私が勝手に命名しました)』としては、同じく長谷川義史さんが大阪弁で訳された『どこいったん』に続いての第2弾となりますが、この作品は、2013年のコルデコット賞の受賞作品となりました。『どこいったん』の原文では、主人公のクマが、大事にしていた帽子を盗んだウサギを食べてしまう(長谷川義史さんは、大阪弁のほんわかとしたイントネーションで上手くぼかしています)というかなりショッキングな結末となっていますが、今回紹介する『ちがうねん』では、原文で繰り返し使われる「Probably」という言葉の持つ僅かな曖昧となっていて、ちょっとドッキリさせられる結末も、読み手一人ひとりの印象に微妙に任されていることが、コルデコット賞の受賞に繋がったのではないかと勝手に思っています。果してどうなのでしょうね。(S.T)

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