No 223
絵本のタイトル へびのクリクター
作者 トミー・ウンゲラー 
訳者 中野 完二
出版社 文化出版局

223 『へびのクリクター』

2013年は干支でいうなら“巳年”です。「巳」という字は胎児を表した象形文字でへびが冬眠から目覚め地上にはい出す姿を現しているとも言われ「起こる、始まる、定まる」等の意味があります。「巳」を動物に当てはめると「蛇」になります。古来より蛇は信仰の対象になっており、谷神(やとのかみ。谷や低湿地を司る)豊穣神、天候神として崇められてきました。また、へびは脱皮をすることから「復活と再生」を連想させ、餌を食べなくても長く生きることから(神の使いとして崇められ、全国各地に蛇神を祀っている神社があります。

2013年、揺れに揺れていた政局も新たな政権のスタートで新年を迎えました。「巳年は何かが起こるかも・・・」と期待を抱きたいですね。

さて今回の絵本は、フランスのある小さなまちにルイーズ・ボドという名前の婦人が住んでいました。ボドさんの誕生日にブラジルに住む一人息子さんから“ボア・コンストリクター”という毒の無いへびのプレゼントが届きました。

そのへびにクリクターと名前を付けたことから、お話が始まります。

クリクターと飼い主ボドさんの穏やかな生活ぶりが程よく笑いを誘うユーモアたっぷりのお話です。 膝に乗せてミルクを飲ませたり、長い手編みのセーターを着せて一緒に散歩に出かけたり、普通では考えられないような光景が微笑ましくもあります。またボドさんは学校の先生をしています。クリクターが文字や数字の形を真似て見せるその様子は想像力を掻きたてられます。

細い線で描かれたおしゃれな絵に緑や赤の色彩がさりげなく乗り、絵を引き立ているのも魅力です。

巳年だからこそ読んで頂きたい絵本です。

 

はな

« »