No 207
絵本のタイトル わにわにのおふろ
作者 小風 さち 
山口 マオ
訳者
出版社 福音館書店

207 『わにわにのおふろ』

ちなみに今回紹介する絵本の主人公“わにわに”は最初の“わ”にアクセントが置かれています。犬や猫を“わんわん”とか“にゃあにゃあ”と呼ぶのと同じ感覚なんですね。

先日、日本に長く住んでいる外国人に、日本語の好きなところをインタビューする番組がありました。その中に、擬態語や擬声語が沢山あるのが面白いという回答が多くありました。雨の音とか歩く音など、英語にはない表現が沢山あって楽しいとのことでした。

『わにわにのおふろ』にも「じゃば じゃば」やら「ぽくん ぽくん ぷくん」、「じょろろーん」、「ぐにっ ぐにっ ぐなっ ぐなっ(これは一体何をしている音なんでしょうね)」など、擬態語が沢山登場します。作者の小風さんは、ただワニがお風呂に入る絵本を創ってみたかったとのことですが、人間がいたら絶対にがぶりとやってしまいそうなリアリティ溢れるワニと楽しい擬音が醸し出す独特の雰囲気を味わうには、実際に絵本を見ていただくしかありません。

話は少し変わりますが、『バットマン・リターンズ』という映画で、冒頭のゴッサムシティを車で疾走するシーンを観て、その夜の街が醸し出す怪しさというか禍々しさに嫌悪感を感じなければ、この映画を楽しむことができるという映画評を目にしたことがあります。残念ながらその映画を見ていないので、私がどちらのタイプになるのかは分かりませんが、それと同じように、子どもたちが、“わにわに”がお風呂場にずりずりと入ってくる最初のページを見て、違和感を感じて絵本を閉じてしまわなければ、大いにこの絵本を楽しむことができると思います。

「こどものとも年少版」として5話が絵本となり、その内4話が幼児絵本シリーズとして出版されていますので、お気にめした方は、他の作品もどうぞご一読下さい。(S.T)

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