No 20
絵本のタイトル ぐりとぐら
作者 中川李枝子
山脇百合子
訳者
出版社  福音館書店

20 ぐりとぐら

『ぐりとぐら』の初版は1963年、40年近く子どもたちに親しまれ、読み継がれている絵本です。
作者の中川李枝子さんのお話を聞く機会があり、「ぐり」と「ぐら」はたまごの大きさを強調するため“すなねずみ”をモデルにしていること。名前をフランスの絵本の中にある歌から取ったこと、カステラが、当時の子どもたちにとって憧れのおやつであったことなどをうかがいました。
絵は、妹の山脇(旧姓大村)百合子さんが描いていますが、森の動物たちにカステラを分けてあげ、みんなで仲良く食べる場面では、見ている者まで一緒にカステラを食べているような気持ちになる不思議さがあります。そして、大人が、どっちが「ぐり」でどっちが「ぐら」かわからないのに対して子どもたちは、ちゃんと「ぐり」と「ぐら」の違いがわかっているのです。
このコンビによる作品は、『ぐりとぐら』シリーズだけでなく、他にも数多くありますが、それぞれの登場人物が他の絵本にも登場していることなど、その場面を見つけたり、気付いたりするのも一つの楽しみです。
また、「ぐり」と「ぐら」を我が子とおっしゃり、愛してやまない中川李枝子さんは、ご自身が『いやいやえん』に出てくる“ちゅうりっぷほいくえん”の“なつのなつこせんせい”であったと言っています。15年間保母として子どもたちと身近に接し、向き合ってきたからこそ子どもの心をつかみ、動かせる絵本ができたのではないでしょうか。
2000年、13年ぶりに『ぐりとぐらとすみれちゃん』が刊行されました。朝日新聞に、作者に久々の筆を握らせた理由(脳腫瘍のため4歳で亡くなった女の子が『ぐりとぐら』が大好きだった)が、紹介されていました。私は、その記事を目にした時、改めて絵本が子どもに大きな存在となっていることに気付き、心をこめて絵本を子どもたちに読み聞かせたいと感じました。
今年になり、新作『ぐりとぐらのおおそうじ』出版されました。親から子へと世代を受け継いできた『ぐりとぐら』、これからも愛され親しまれ、次の世代へ受け継がれていってほしいものです。2匹のフランス製の名前をもつ“すなねずみ”の活躍に期待しています。(ぽ)

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