No 191
絵本のタイトル たからもの
作者 ユリ.シュルヴィッツ
訳者 安藤 紀子
出版社 偕成社

191  『 たからもの 』

私は自分自身、比較的単純な部類の人間だと思っています。特に見る夢に関しては顕著で、ちょっとでも寒ければ、川遊びをしている夢など、てきめんに水に関する夢を見てしまいます。また、熱を出す前は、必ず高い所から落ちる夢を見るといった次第です。

昨夜などは、新学期の忙しさに加え、週末の法事やら庭仕事の疲れが出たのか、100キロマラソンを走るという夢を見てしまいました。夢で、近所の見なれた風景の中を走りながら、この橋を渡り終わるとあと30キロだ、と気持ちを奮い立たせ朝を迎えたのです。

今回紹介する絵本は、『よあけ』(コルデコット賞を受賞)をはじめ、過去にこのコーナーで何冊か紹介しているユリ・シュルヴィッツの作品です。夢のお告げに従って、宮殿の橋の下に隠された宝物を探しに行く男のお話が描かれていますが、果して宝物は見つかるのでしょうか 。

物語の最後に「ちかくに あるものを みつけるために、とおくまで、たびを しなければならないこともある」と語られていますが、この言葉に象徴されるように、単なる宝探しのお話というよりも、何か宗教的な雰囲気が感じられ作品かもしれません。

ちなみに、私も宝探しの夢を見たことがあります。家の電気のブレーカーに吊るされている配電図が、実は宇宙の宝の隠し場所を記した地図であることに気づき探しに出かけるという、こじんまりとしているのか雄大なのか分かりにくい筋でしたが、残念ながら、宝は見つかりませんでした。性格の単純さ故なのか、夢の舞台を近場で済ませてしまった報いなのかもしれませんね。(S.T

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