No 190
絵本のタイトル ねぼすけスーザのおかいもの
作者 広野多珂子
訳者
出版社 福音館書店

190  『 ねぼすけスーザのおかいもの 』

『スーザとマリアおばさんは、オリーブ畑に囲まれた、小さな村に住んでいます。毎朝、スーザはちょっとやそっとでは、目を覚ましません。マリアおばさんがフライパンを10回たたいて、やっと目を開けるのです。

でも、今日のスーザはちょっとちがいます。マリアおばさんが目を覚ます前に、一人で起きたのです。 スーザはロバのサンチェスの背中に乗ると、丘をいつつ越えて町まで出かけて行きました。

やっと町についたスーザは「わたし このおかねで、きっとすてきな おかいものをするわ」と、黒い袋を握りしめて言いました。 町にはたくさんのお店が並び、美味しそうな物や、奇麗な物がいっぱい。スーザはうっとりしたり、村の人が驚く顔を想像したり・・・。そのたびに「でも やっぱり いちばんすてきなものはこれではないわ」と、町の中を探して歩き続けました。そしてついに「わたしのさがしていた、いちばんすてきなものはこれだわ」と、見つけるのですが、差し出したお金を見て「おじょうちゃん、これっぽっちじゃかえないんだよ」と、スーザは店の主人に言われてしまいます。

年中児に読んだところ、スーザの「でも、いちばんすてきなものは、きっとほかのものだわ」の言葉に惹かれたたようで「もっと ほかのものだわって なんだろう?」と、ページをめくるたびに「これでもないのか?」と、スーザの探しているものが気になっていました。
 登場人物のあどけない表情や、ページの細部まで丁寧に描かれた広野さんの暖かな絵と物語を読みながら、十数年前、初めてのお給料を握りしめ、父と母のプレゼントを買いに行き、あれこれ迷った時のことを思い出しました。

広野さんが、ご主人と絵の勉強をしようとスペインに渡ったその頃の日本は「消費文化というか使い捨ての時代で、それが美徳とされていた。自分も古くなった家具はポイッと捨てちゃうもんだ(中略)。ところがスペインではそうじゃない。古いものを大事に使って、家具もいたんだものを直して、あるいはペンキを塗って、一つのものを本当に大事にしている事に感動した。(中略)」と広野さん自身が書かれていました。私も、これを読んで「うん うん」と思わずうなずいてしまいました。ところで気になるのは「スーザが何を買ったのか」ですよね。それは絵本を読んでのお楽しみ!
子どもを膝にのせ、是非読んでいただきたい絵本です。はな

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