No 119
絵本のタイトル ぼくの庭ができた
作者 ゲルダ・ミュラー
訳者 ささきたづこ
出版社 文化出版局

119  『 ぼくの庭ができた 』

私が小さい頃、庭にユスラウメの木がありました。木はいつの間にか無くなってしまいましたが、園芸店でユスラウメの名前を見つける度に、赤く熟した実をざるに取り、縁側に座ってよく食べていたことを懐かしく思い出します。

子どもの頃には他にも祖父の植えたイチジクや小さなブドウ棚もありましたが、どれも今は無くなってしまいました。父親も私から見れば庭の手入れなど良くしていたように思うのですが、祖父ほど得意ではなかったのかもしれません。同じ自然とはいっても、花や果樹は、人が手を加えたり丹精し続けなければならないものなのでしょう。

この絵本には、いろいろな人の力を借りながら、子どもたちによって素敵な庭が造られていくさまが描かれています。図鑑的に描かれている部分も多いので、読み聞かせなどは少し難しいかもしれませんが、登場する人々や花々がみな魅力的で、見ているだけで豊かな気持ちになってきます。また、親子で見ながら、あれこれ我が家の庭造り計画を練っていくのも楽しいと思いますし、一人で見て、夢を膨らませたり、私のようにちょっとばかし思い出に浸るのも悪くないと思います。

庭の広い狭いとか、マンション住まいでベランダしかないという方もあるかもしれません。それでも、生活の中に自然があり、その自然の四季折々の変化が、次の歳月への期待にと繋がっていくことは、日々の生活における大きな喜びで、そんな喜びを十分に感じさせる絵本なのだと思います。(S.T

 

« »