No 277
絵本のタイトル 天使がいっぱい
作者 長谷川集平 
訳者
出版社 光村教育図書

277 『天使がいっぱい』

今回紹介するtennsigaippai[1]絵本の見返しには『Angels watching over me』という歌の歌詞が書かれています。アメリカの有名な子どものための伝承歌とのことですが、残念ながら私は全く知りませんでした。この絵本は、この歌をモチーフに描かれていますが、天使そのものは、日本ではあまりポピュラーは存在ではないのかもしれませんね。

雪で天使の形を作るという遊びは日本ではあまり見かけませんが、キーツの『ゆきのひ』などにも描かれていますので、したことはなくても、遊び自体は知っている方が多いのではないでしょうか。

私としては、天使というとフワフワした衣装をまとい、大きな羽を持った美しい女性の姿しか思い浮かびませんが、そのイメージはギリシャの女神像がもととなっていると聞きます。そもそも天使に姿形や性別があるわけではなく、絵画などに描かれている姿は、それぞれの作者が最も美しいと感じるものを表現していて、バチカンの有名なシスティーナ礼拝堂の『最後の審判』に描かれている天使は、筋肉隆々な男性の姿をしています。

日本でも、民間信仰に「守護神」といったものがあったり、キリスト教にも「守護聖人」といった捉え方がありますが、どちらも一対一の関係のように感じられ、絵本の中で、マコおばちゃんが「いっぱいいるんだよ」と応えたように、自分を守ってくれる存在が沢山いると思ったほうがうれしいし、ずっと心強いですよね。

そういえば、最後のページで主人公のサイちゃんの見る夢には大勢の天使が出てきます。夜ぐっすり眠れたり、素敵な夢が見られるのも、天使たちが見守ってくれているからなのかもしれません。

この絵本を、タイトルに惹かれて手に取られた方は、どこか癒されたいと思われているのかもしれません。読み終えたあなたが、少し元気になられていますように。      (S.T)

 

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