No 258
絵本のタイトル あなのはなし
作者 ミラン・マラリーク
二見正直
訳者 間崎ルリ子
出版社 偕成社

258 『あなのはなし』

ananohanashi[1]さて、問題です。表紙の絵を見て下さい。この物語の主人公は誰でしょうか?

動物たち?ここには描かれていないけど男の子?…違います。正解は…『あな』です。今流行りの雪の女王ではありません(笑)穴あき絵本の穴そのものなのです。

 

始まりは穴のあいた赤い靴下。これが繕ってもらえなかったためにどんどんその穴が広がり、とうとう靴下を飲み込んでしまいます。それからあなは旅に出て、道中でドーナツ・カエル・羊・ツバメと出会い、「ただ、よのなかをみてみたいとおもってね」という事で、連れ立って行きました。あなたちの様子を伺って忍び寄る狼も登場します。そして夜になり、あなたちが寝ていた小屋にその狼が入ってきて、全員食べられてしまうのですが…。

私が子どもたちにこの絵本を読み聞かせた時、意表を突いた結末に、「あな、凄い!」「どうなってるの?この先どうなるの?」「怖いけど面白い!」と、大盛り上がりでした。そして、狼の出てくる有名な物語を二見正直さんがさり気なくサイドストーリーとして描いているのも面白味があります。子どもたちがいつその事に気が付くか楽しみです。

 

『はらぺこあおむし』『まどからおくりもの』など、工夫を凝らした楽しい穴あき絵本はたくさんありますが、とうとう穴が主役を張る時が来ました。指先ほどの大きさの穴あきの部分から手足が生えた主人公は少々不気味ですが、だんだん愛着が湧いてきます。

(723)

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