No 148
絵本のタイトル まんげつのよるで まちなさい
作者 マーガレット・ワイズ・ブラウン
ガース・ウイイアムズ
訳者 三辺 律子 
出版社 にいるぶっくす  

148  『 まんげつのよるまで まちなさい 』

manngetunoyoru[1]私は田舎で育ちました。秋になると、あおいいがいがの栗の木や、すすき、身の丈ほどもあるきりん草が生い茂った野原を、友だちと走り回って遊んでいました。遊びに夢中になり、あたりが暗くなりはじめた頃、母親を思い家路を急ぐのですが、今のように昼とも、夜とも、見分けの付かないほどネオンの光が輝いている時代ではありませんでした。

町に街灯はありましたが、少し離れるとほとんど街灯などありませんでしたので、満月の夜などは月の光に景色が照らし出され、幻想的な雰囲気になりました。今ならロマンティックなのでしょうが、その当時は心細かったのを覚えています。

話は変わりますが、先日、友人と「お月さま」の話をする機会がありました。その友人が生活習慣や宗教の違いからなのだそうですが、月に対する考え方の違いが、日本と西洋にはあると言うので、「月と文化」について調べてみると、西洋では月は狂気を表すものなので「観月の風習」は、ほとんど見られませんが、日本には自然と人生を結びつける、奥ゆかしい行為の「観月の文化」があうということがわかりました。月と人間の精神、肉体との関係性、法則性を説いた本なども多数出ていましたが、日本人も西洋人も「月」に対する思いは違ってはいても、惹かれる思いは同じなのでしょうか?

今回ご紹介する絵本は、「まんげつのよるまで まちなさい」と子どもに話すお母さんと「よるが、みたい」と言うあらいぐまの坊やのお話です。

鉛筆の軟らかい線で描かれた、あらいぐまの坊やの可愛い表情と、子どもから不意に投げかけられる疑問に、やさしく応える母親のやり取りに、思わずページを捲ってしまいます。子どもの思いと、その思いを子どもの成長に合わせながら、上手に切り替え伝えていくお母さんのかかわりに「うん、うん」とうなずいたり、首をかしげたり・・・。子どもに読んであげる前に、お母様にじっくりと絵を読み取っていただきたい絵本です。                    はな

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